8月といえばお盆ですよね。
お盆は古くから伝わる日本の伝統行事であり、
お盆に合わせてご先祖さまが霊界から現世に戻ってくるとされています。
ちょうど会社の夏休みもお盆に合わせられることが多いので、
お盆に合わせて帰省をするという人も多いでしょう。
そんなお盆ですが、お供え物としてなすのきゅうりの人形のようなものを供えますよね。
あれって一体何の意味があるのでしょうか?
また作り方はどうなのでしょうか?
ここでは知っているようで知らない、
お盆のなすときゅうりのお供え物について解説をしていきます。
なすときゅうりのお供え物には何の意味があるの?
まずお盆のなすときゅうりのお供え物ですが、あれには何か意味があるのでしょうか?
結論から言えばあります。
ではそんななすときゅうりのお供え物について解説をしていきます。
お盆のなすときゅうりのお供え物ですが、あれは正しくは精霊馬と呼ばれます。
ちなみに読み方は「せいれいば」ではなく「しょうりょううま」ですので注意してください。
精霊馬ですが、きゅうりの方は馬を表しており、なすの方は牛を表しています。
確かにきゅうりのすらっとしたフォルム、
なすのずんぐりとしたフォルムはそれぞれ馬と牛に見えますね。
それぞれの意味合いとしては、お盆の期間にはご先祖様には馬に乗って早く来てもらい、
帰りは牛に乗ってのんびり帰ってくださいという意味合いが込められています。
しかしお盆というのは地方によって迎え方も行事も大きく異なってきます。
地方によっては、牛に乗って丁寧にお出迎えすると、馬に乗って早く帰って休んでください、
という意味合いがある地域もあります。
まぁこれはどっちにしても用意するものは同じなので問題にはなりませんね。
このようなお盆の精霊馬のお供えですが、起源は平安時代とも言われています。
平安時代では麦わらを編んだり、瓢箪を使って今と同じように精霊馬を作っていました。
それが代々伝わっていき、大きく一般庶民にまで広まったのは江戸時代とされています。
江戸時代の頃にはお盆を迎える習慣が根付いていきましたが、
その際にも精霊馬も伝わっていきました。
しかし、その際により手軽にどんな地域でも用意できるものとして
きゅうりとナスが精霊馬として使われるようになり、
これが現代にも伝わっているとされています。
精霊馬ですが、全国的に行われていはいますが、特に盛んなのが関東地方です。
西日本では精霊馬を使わずに送り火が用いられたり、精霊船や精霊流しなど、
その地域に根付いたお盆の行事が存在します。
お盆の行事を調べることで、地域に根付いた歴史も知ることができるので面白いですよ。
精霊馬ってどうやって作るの?
そんな精霊馬ですが、どうやって作るのでしょうか?
続いて解説をしていきます。
精霊馬ですが作り方自体はとても簡単です。
用意するものとしては、きゅうりとなすを一本ずつ、そして爪楊枝8本ないし、割り箸2膳です。
爪楊枝でしたらそれぞれをきゅうりとなすにバランスよく刺して立たせるだけです。
割り箸の場合でしたら、2膳を折って8本の棒を作ることで、
爪楊枝と同様にバランスよく刺していきましょう。
お盆の期間は飾っておく精霊馬ですが、
お盆をが終わったらどうやって処分をするのでしょうか?
まず注意して欲しいのが精霊馬は食べてはいけません。
昔はお盆で使った精霊馬やお供え物は川に流すという行事がありましたが、
近年ではそれも難しくなっています。
なので役目を終えた精霊馬は、塩で清めた半紙に包んで捨てるか、
お寺や神社で処分をしてもらいましょう。
まとめ
このように精霊馬には意味があり、基本的には馬で早く現世にやってきてもらい、
帰りは牛でゆっくりと帰るという意味があります。
ただこれらは地方によって考え方が違く、お盆の形もそれぞれです。
地域のお盆の行事を知ることは、地域の歴史を知ることにもつながります。
精霊馬はなすときゅうり、そして爪楊枝か割り箸があれば簡単に作れます。
ぜひお盆は精霊馬を作って、ご先祖さまを大切に迎えるようにしてくださいね。
コメント