お盆は、仏教行事と祖先崇拝の信仰が融合して行われるようになった行事です。
ご先祖様の霊を、家にお迎えして供養します。
お盆という名前は、祖先の霊をまつる際、お供えをのせる「器の名前」に由来するともいわれています。
お盆は特別な行事ですので、何か特別な料理を用意した方がよいのでしょうか。
お盆に食べる物は特に決まっていないようです。
仏壇や精霊棚(しょうりょうだな)に、亡くなった方が好きだったものをお供えすることも多いようです。
こちらの記事では、
・伝統的にお盆を過ごすなら精進料理
・五戒
・五辛
・お供えするもの
についてご紹介します。
・伝統的にお盆を過ごすなら精進料理
精進料理(しょうじんりょうり)という言葉を聞いたことはありませんか。
飲食店の看板で見かけることがありますよね。
植物性の材料で作る料理のことを精進料理といいます。
植物性の材料とは、肉類や魚介類ではなく、野菜や穀物、海藻などを指します。
原則としての味付けは主に、しいたけや昆布を使用します。
材料の中でも、大豆(だいず)はタンパク源として重要な役割を果たしていて、豆腐、納豆、湯葉などの形で使用されます。
精進料理には、日本独自の精進料理と、中国式の精進料理ががあります。
中国式の精進料理は、「普茶(ふちゃ)料理」としても知られています。
季節の野菜を使い、油を多く使った料理です。
野菜を材料にして、肉や魚などの動物性の食べ物の、形や味までも似せて作る特徴があります。
・五戒
五戒(ごかい)とは、仏教においては、在家の信者が守るべきとされた5つの徳目(とくもく)です。
徳目というのは、倫理的思想や道徳的思想において重要とされる概念の個々の名前です。
自ら心に誓って、それぞれの徳目を順守します。
仏教における五戒とは、
1不殺生(ふせっしょう):生命のあるものを殺さないこと
2不偸盗(ふちゅうとう):与えられないものを取らないこと
3不邪淫(ふじゃいん):みだらな男女関係を結ばないこと
4不妄語(ふもうご):いつわりを語らないこと
5不飲酒(ふおんじゅ):酒類を飲まないこと
の5つをいいます。
精進料理の考え方は、五戒の不殺生の徳目に由来するものなのですね。
・五辛
五辛(ごしん)とは、五葷(ごくん)ともいい、仏教において食べることを禁じられた、辛味や臭みのある野菜のことをいいます。
にんにく、ねぎ、にら、あさつき、らっきょう等の5種類をいいます。
仏教では、これらを食べると色欲(しきよく)や、怒りの心などが、刺激され助長されるとして、食べることを禁じたそうです。
禁じられたどれも、現在の食卓では使われていることが多いですね。
確かに、にんにくやねぎは食べると元気が出るような気がします。
この元気が良くないとされていたのですね。
釈迦が悟りを開く際、山中で著しい粗食で過ごしたために、下山した時には極度の疲労と栄養失調で倒れてしまったとの話があります。
道を成すということは、それほどまでに極めることであるのですね。
・お供えするもの
お盆にお供えするものとしては、地域によって違いがあるそうですが、お団子が一般的です。
ご先祖様の霊をお迎えするためにお供えする団子は、「迎え団子」といいます。
ご先祖様の霊が家に帰ってきている間にお供えする団子は、「お供え団子」といいます。
ご先祖様の霊をお見送りするためにお供えする団子は、「送り団子」といいます。
お団子の数や味つけは、お供えする地域によって様々だそうです。
現在は、何もつけない白い団子を積み上げる形が一般的なようです。
また、精霊馬(しょうりょううま)という、ナスやキュウリで作った牛や馬をお供えする地域もあります。
お迎えの時は、早く帰ってこられるように馬の形でお供えし、あの世に送る時には、少しでもゆっくりと、お供えも持っていけるよう願いを込めて牛の形でお供えするのだそうです。
【まとめ】
いかがでしたか。
こちらの記事では、
・伝統的にお盆を過ごすなら精進料理
・五戒
・五辛
・お供えするもの
についてご紹介しました。
お盆は、仏教に由来する行事でもあることから、料理としては精進料理が伝統的な料理になります。
ですが、お盆に精進料理を食べなければならない、と決まっているものではありません。
ご先祖様の霊をお迎えする期間ですので、好きな物をありがたくいただくので良いのではないでしょうか。
年に1度のお盆の時期ですから、肉や加工品から離れて、日本古来から続いている精進料理をお供えするとともに、いただくのも良いですね。
帰ってきた霊も喜んでくれるかもしれません。
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