皆さんは「駅伝」と聞いたら、何を思い浮かべますか?
「箱根駅伝」や「お正月」、「運動の秋」など色々あるかと思われますが、実は「駅伝」は「文化の日」とも縁が深いのですよ!
え?なになに?
文化の日は芸術関連のイベントをする日でしょ?
確かにその通りではあるものの、実際に「文化の日」には駅伝が行われており、この駅伝が日本一の駅伝チームを決める大事なイベントだったりします!
今回はその駅伝と「文化の日」の関係を紹介していきましょう!
◆「文化の日」に駅伝ってあるの?
「文化の日」に駅伝はあるのか、この質問に対する答えは「イエス」です。
「文化の日」転じて11月3日。
この日は数多く行われる駅伝のなかでも高い知名度を誇る駅伝、「東日本実業団対抗駅伝競走大会」の開催日ですよ!
通称「東日本実業団駅伝」とも呼ばれるこの駅伝は東日本実業団陸上競技連盟が主催している大会で、翌年の元日に開催されるニューイヤー駅伝の予選でもあります。
お正月の駅伝と言えば「箱根駅伝」のほうを思い浮かべるかもしれませんが、あちらは1月2日から3日に開催される駅伝です。
そのため元日にテレビで生放送されている駅伝を見かけたら、ニューイヤー駅伝だと思ってください(こちらは「ニューイヤー」という看板通り、元日にしか開催されていないので!)
このニューイヤー駅伝は日本一の駅伝であるため、各地で予選会が行われるものの、11月3日を開催日にしているのは「東日本実業団駅伝」だけです!
そんな「東日本実業団駅伝」の開催地は埼玉県となります。
そのため埼玉県がつくったキャッチコピー「彩の国」を使い、親しみを込めて「彩の国 実業団駅伝」と呼ばれたりもするのですよね。
もちろん大会の運営は埼玉県をはじめ、埼玉陸上競技協会や教育委員会、コース上の自治体など埼玉県総出で協力しています!
◆「東日本実業団駅伝」のルーツを教えて!
「東日本実業団駅伝」の成り立ちを語るには、やはりニューイヤー駅伝が外せません。
今でこそニューイヤー駅伝と呼ばれているものの、記念すべき第1回は1957年3月3日に開催されました。元日ではなかったのです。
しかし早春は多くのイベントが重なる時期であるため、第5回より開催日は12月に変更されます。
のちにコースの長さも第15回から伊勢神宮内宮をまわるコースが追加されて99kmになったり、開催地が三重県から群馬県になったりなど様々なポイントが変わったりしますが、元日になったのは第32回が開催された1988年となります。
このように時代とともに変化していったニューイヤー駅伝ですが、肝心の予選会が執り行われるようになったのは第6回からだそうです。
つまり日本一の駅伝チームを決める大会が整備されていくうちに予選会、もとい「東日本実業団駅伝」が生まれたということになります!
◆そもそも駅伝の由来って何?
駅伝は「駅伝競走」の略称です。
略称にしても正式名称にしても、その中身は変わりません。
数十kmに及ぶ距離を1つのコースとして区切り、その区切られた複数のコースを1つのチームが一丸となって走り切る陸上競技です。
マラソンなら1人で長距離を完走しますが、駅伝はチームで完走します。
ここが両者の大きな違いです。
さて、駅伝の発祥は1917年に開催された「東京奠都(てんと)記念東海道駅伝競歩競争」となります。
この大会は1917年からさかのぼること50年前、日本の首都が京都から東京に移った1868年から1869年の出来事(これを「東京奠都」と言います!)を記念した博覧会のイベントとして執り行われました。
明治天皇がお住まいになられていた京都から江戸に移ったルートをリスペクトし、スタート地点は京都府の三条大橋、ゴール地点は東京都の上野不忍池に設定されました。
その距離はおよそ508km、コースにすると23区間となります。
現代では考えられない長さです!
とはいえ、当時はこの長いルートを走るイベントに名称がありませんでした。
それを現・公益財団法人日本スポーツ協会の前身、大日本体育協会の副会長をつとめていた武田千代三郎が江戸時代まで普及されていた制度「駅伝・伝馬制」になぞらえて、「駅伝」と名付けたことによって今の駅伝があります。
しかしそれも元を辿れば「駅伝・伝馬制」があったからこそです。
奈良時代から江戸時代までには日本各地の道路には「駅」と呼ばれる場所が等間隔にあり、その場所では「駅馬」や「伝馬」といった物資や手紙、人を運ぶための馬を休ませたり荷物を他の馬に移したりしていました。
「駅」と「伝馬」は同じように受け取れるものの、全くの別物です。
先述したように「駅」は郵送の拠点なら、「伝馬」は馬の乗り継ぎを意味しています。
これらが合わさって「駅伝」というわけです。
一説によれば手紙や金銭など持ち運べるサイズの荷物を専門とする飛脚も駅伝の由来だといわれていますね!
◆「文化の日」まとめ!
「文化の日」もとい11月3日に開催される「東日本実業団駅伝」は元日に行われる「ニューイヤー駅伝」の予選会です。
他の地域でも予選会は開催されますが、「文化の日」に行う予選会は「東日本実業団駅伝」だけですよ!
その「東日本実業団駅伝」のルーツも本選が整ってきたからですが、駅伝そのものは歴史が深いですね!
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