お盆は、夏の仏教行事のひとつです。
今年の夏休みはどこに行こうか、と計画を立てている方もいると思います。
夏休みといえば、お盆の時期に重なることも多いのではないでしょうか。
お盆の時期はまだ暑いので、海に行って水遊びをしたいかもしれません。
しかし、お盆の時期は海に行ってはいけない、と言われたことはありませんか。
なぜ、お盆の時期に海に行ってはいけないと言われるのでしょうか。
海に限らず、川などの水場自体に行くことは良くないと言われたりしますね。
こちらの記事では、
・
・灯篭流し(精霊流し)
・海は霊の通り道
・海に起こる自然現象
・海の中で起こっていること
についてご紹介します。
Contents
知ってないと怖いお盆と水難事故
なぜそんなにお盆の日やその時期に水難事故が多発しているのか?
調べていくうちにいくつか理由がわかりました。
昔からお盆の時期には水遊びは良くないと言われてきました。
実際私のおじいちゃんやおばあちゃんも同じようなことを言っていたことがあります。
記憶によると「お盆の日に海や川に入ると足を引っ張られるよ」などと口うるさく言われたものです。
その時になんでか気になったもので理由を聞いてみました。
そうすると亡くなった方の亡霊などに足を引っ張られてしまうなどと言っていました。
幼いころはそれが怖くて信じていたのですが、実際はもっと身近にちゃんとした理由もありました。
亡霊とか言われるとなんだか「迷信」のようにも聞こえてきますよね。
迷信と言われればそんな気もしますけど、昔の人は色々水辺に人を近づけないようにと考えたものだそうです。
お盆の時期=夏という事はみんな必然と海や川に遊びに行くことが増えてしまいます。
この時点で誰でもわかると思いますが回数と人が増えれば事故リスクは当たり前のように増えますよね。
さらにこの時期は「台風」なども多く発生する時期でもあり理由の一つとなっています。
水難事故の理由とその原因
水難事故ってやっぱり夏に多くなってしまう理由がいくつか存在します。
一番は夏という季節に水遊びがセットだからです。
数多くいけばそれだけリスクというものが増えるわけです。
例えば宝くじを一枚買ったところで当たる確率というのはかなり低いですよね。
言ってしまえば当らないと言ってもいいでしょう。
しかし宝くじ売り場の宝くじをまとめて買ってはいかがでしょうか?
もちろん当たります。
海や川遊びも一緒で毎回無事故という可能性はありえません。
回数行けばどこかで起きてしまう可能性はあるのです。
このように考えるとやっぱり夏という季節は水難事故が付き物なのでは何かと考えられますね。
その他にお盆の時期になると水温が高くなります。
その影響で「クラゲ」が成長しやすい時期ともいわれています。
クラゲにも種類がありますが、刺されると痺れてしまったり、ショックで気絶してしまうこともあるそうです。
中には毒を強く持ったクラゲも少なくはないので十分に気を付けなければなりません!
水のあるところで気絶や痺れて動けなくなってしまうとどうにもできないのが正直です。
このクラゲによって起きる水難事故もお盆の時期に多い理由となっています。
他にも水草が良く生えてそれに滑って溺れてしまう事故なども出ています。
このように水難事故が多いことからお盆に川や海に入ると霊に足を引っ張られるなどと迷信が言い伝えられたようです。
灯篭流し(精霊流し)
海や川などの水場で行われるものの中では、「灯篭流し(とうろうながし)」や「精霊流し(しょうりょうながし)」が有名です。
灯篭流しは、迎え入れた霊を送り出す行事であり、または水死者や無縁仏(むえんぼとけ)に対しての供養が行われる行事でもあります。
無縁仏は、供養してくれる者がいないため、霊になることができない仏のことです。
お盆の期間の終わりの日に、灯篭舟(とうろうぶね)や、精霊舟(しょうりょうぶね)を海や川に流します。
灯篭舟は、竹や紙などで作られ、風で火が消えないように囲いをした舟です。
精霊舟は、麦わらなどで作られ、供え物を乗せ、ともし火をつけた舟です。
その舟を道しるべにして、霊が帰っていくのですね。
海は霊の通り道
送り火は門の前や海、川などで焚かれます。
霊を迎え入れる準備の時には、山や川、河口などの草刈りが行われます。
海や川などの水場は、お盆の期間、霊の通り道となるのです。
古来から、お盆には良い霊も悪い霊も帰ってくる、と信じられてきたようです。
いろいろな霊があの世とこの世を行ったり来たりしているのです。
特にお盆の終わりの日に海に行くと、霊が帰る日であり、一緒にあの世に連れて行かれるといわれています。
また、先祖の霊の通り道で、水遊びをするなんて失礼だとする説もあるようです。
海に起こる自然現象
お盆の時期は台風が多い季節です。
台風は海に大きな影響をもたらしていて、突然高い波が押し寄せたりします。
この波は「土用波(どようなみ)といわれ、風のない日に海に打ち寄せる大波です。
遠い海の上で台風が引き起こした「うねり」が伝わって起こる波で、1万キロメートル以上離れた場所まで伝わることが知られています。
台風自身よりも進む速度が速く、波だけが先にやってくるもので、数分間の周期で波の高さが大きく変わる特徴があります。
穏やかにみえる海で水遊びをしている人には気づきにくい現象だそうで、引く力がものすごいことも特徴です。
・海の中で起こっていること
お盆期間の海では海藻が増えていて、台風の影響でいろいろな所から流されてきた海藻が漂っています。
体にからまったうえに土用波がきたら、ひとたまりもありません。
また、川についても水草は成長しまくっている季節です。
台風通過で増水した水流により、水草で滑ってバランスを崩して溺れてしまうケースが後をたちません。
そして、お盆の時期にはクラゲが増えます。
中には刺されると生死にかかわる毒を持っているクラゲもいます。
まとめ
いかがでしたか。
こちらの記事では、
・お盆とは
・灯篭流し(精霊流し)
・海は霊の通り道
・海に起こる自然現象
・海の中で起こっていること
についてご紹介しました。
旧暦の7月(現在の8月)は盆月(ぼんづき)や仏月(ほとけづき)といわれ、お盆は7月1日から始まります。
7月1日は釜蓋朔日(かまぶちついたち)といわれ、地獄の釜の蓋が開いて先祖があの世を出発する日とされています。
「地獄の釜の開く時期は、池や川、海などへ無暗に近づいたり、入ったりしてはならない」という言い伝えがある地域があるようですよ。
お盆の時期に海に行くことは、霊を供養するという信仰にかかわる理由もありますが、自然における危険な時期でもあるのですね。
お休みがお盆の時期でしたら、海や川などに行くことは避けて、静かにご先祖や亡き人のことを思い出して供養をしましょう。
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