お盆は、ご先祖様の霊が、あの世からこの世に帰ってきて、またあの世に戻っていく期間です。
8月に行う地域が多いようですが、7月に行っている地域もあります。
お盆の期間には、霊を迎え入れて、送り出す行事を行います。
迎え火や送り火という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃることと思います。
迎え火や送り火は、お盆にちなんだ行事です。
さて、お盆の行事とは、どのようなことをするのでしょうか。
こちらの記事では、
・迎え火
・七夕
・盆花(ぼんばな)
・盆棚
・送り火
についてご紹介します。
・迎え火
迎え火は、客人や精霊(しょうりょう)を迎えるために焚(た)く火のことです。
お盆に限らず、婚礼や葬式などの機会に広く行われている地域もあるようです。
精霊というのは、お盆に迎え祀る祖先の霊のことです。
お盆の迎え火は、7月か8月の7日から10日頃に焚くことが多いようです。
新盆にあたる、亡くなった人が最初に迎える盆の家庭では、1日や7日から焚き始めるそうです。
家の門口などで、オガラといわれる麻の茎や麦わらなどを焚いたり、シラカバの木の皮を割った竹につけて、お墓から家までの道に立てて置き、順に火をつけて道しるべとして迎えたりします。
精霊はお墓から帰ってくると考えられているのですね。
・七夕
7日の七夕には、星のお祭りとは別に、お盆の行事があります。
七日盆(なのかぼん)といい、お墓までの道の草刈りをし、お墓の掃除をします。
仏具や食器、家具を洗ったり、昔は馬や牛も水辺に連れて行き洗ったそうです。
また、この日には、ご先祖の霊があの世とこの世を行き来するための乗り物として、藁(わら)や真菰(まこも)という植物で、馬や牛の形を作る地域があります。
この馬は、迎え馬、七夕馬、精霊馬(しょうりょううま)とよばれます。
馬は足が速いので、あの世から早く家に帰ってこられるように、また、牛は足が遅いので、あの世へ帰るのが少しでも遅くなるようにとの願いが込められています。
また、お供え物を牛に乗せて、あの世へ持ち帰ってもらう、との思いも込められています。
・盆花(ぼんばな)
盆花は盆棚やお墓に供える花のことで、11日か13日に用意することが多いです。
花の種類は地域によって異なり、キキョウやオミナエシ、ユリなどがあるようです。
精霊が盆花を依代(よりしろ)として、山から家へ迎えられると考えられています。
依代とは、霊がよりつく物のことです。
本来は朝から山に出かけてとってくるもので、その行事を盆花迎えといいますが、近年では造花の盆花も売られています。
・盆棚
盆棚は、迎え入れるご先祖の霊のための祭壇で、お供え物を飾る棚です。
精霊棚(しょうりょうだな)ともよばれます。
13日の朝に作られることが多く、作る場所は地域によっていろいろ違いがあります。
現在では仏壇の前に作る家庭が多いようですが、昔は庭先などに設けていたそうです。
新盆の家庭では1日から7日までに作る家庭が多くあります。
盆棚の上に真菰(まこも)のむしろや、ゴザなどを敷いて位牌を安置し、供物を乗せたりします。
・送り火
送り火は、門火(かどび)ともいわれ、ご先祖の霊があの世に帰るのを送り出すために焚く火のことです。
地域によっては、葬式の出棺の間際、または婚礼のために娘が生家を出る時に、門前で焚く火でもあります。
ご先祖の霊を送り出す期間は、16日から24日までといわれています。
15日か16日の夕方、門前で焚かれることが多いですが、24日や25日に焚かれる地域もあるそうです。
京都如意ケ岳(にょいがたけ)の大文字焼(だいもんじやき)や、灯篭流しも送り火としての行事です。
【まとめ】
いかがでしたか。
こちらの記事では、
・迎え火
・七夕
・盆花(ぼんばな)
・盆棚
・送り火
についてご紹介しました。
ひとことでお盆と言っても、行事がたくさんあるのですね。
迎え火や送り火は、現在は夏の風物詩としての行事となっているものもあります。
環境問題にも配慮したり、時代に合わせた形になっているようです。
お盆の期間は、人に対するいろいろな思いを感じる特別な期間です。
お盆は日本に古来から続く、祖先信仰に由来する行事です。
霊は多くの人には目に見えるものではありませんが、気持ちを通わせることができるなら素敵ですね。
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