【節分】柊鰯(ひいらぎいわし)に使われるいわしの由来、この時期に食べる意味

節分

2021年2月2日は節分です。
節分とは「季節の始まりの日」のことをいいます。
旧暦では立春・立夏・立秋・立冬の前の日が節分となり、実は節分は1年に4回あります。
その中でも立春は旧暦でお正月のことであり、新たな年を迎えるということで最も重視されていました。
立春の前の日の節分は今の暦でいうと大晦日(おおみそか)のことです。
季節の変わり目には邪気が生じると考えられていて、その邪鬼を追い払い1年の無病息災を祈る行事が節分の行事として現在まで続いています。
この邪鬼が節分で追い払われる鬼ということになります。
節分といえば豆まきをしたり、柊いわしを飾ったり、いわしを食べたりする風習があります。
柊いわしを玄関に飾る家は少なくなってきていますが、いわしを食べる風習はまだ広く残っています。

節分の時にいわしが使われる風習はどこからきたのでしょうか。
いわしという魚はどういった魚なのでしょうか。
ここでは
・節分にいわしが使われる由来
・いわしも出世魚
・節分に飾るいわし
・いわしと臭い
・節分にいわしを食べる意味
・いわしのオススメレシピ
についてご紹介します。

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節分にいわしが使われる由来


平安時代には節分に柊の枝と鰡(ボラ)の頭を刺してしめ縄に飾っていたことが土佐日記(とさにっき)に記録されています。
ボラは「さかなへん」に「ためる」で「鰡」と書きます。
神様に長く留まってもらうことができると考えられて鰡を使ったといわれています。
土佐日記は紀貫之(きのつらゆき)という平安時代の貴族で歌人であった人が書いた日記で、歴史の勉強の時に覚えた記憶のある方もいらっしゃることと思います。
平安時代は794年に京都に都が移った時から鎌倉時代になるまで390年も続いた時代です。
今から1200年以上前から続いているとても歴史のある風習なのです。
江戸時代の浮世絵(うきよえ)や黄表紙(きびょうし)といわれる当時の絵本にも描かれています。
いつからいわしが使われるようになったのか定かではないのですが、江戸時代にはいわしが使われていました。
いわしは漢字で「さかなへん」に「よわい」で「鰯」と書きます。
鬼はいわしの臭いをまとうと力が弱くなってしまうので近寄ってこない、と考えられたためにいわしが使われるようになったともいわれています。

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いわしも出世魚


平安時代の節分で使われた鰡(ボラ)は出世魚で縁起の良い魚とされてきました。
いわしは江戸時代には庶民の魚として親しまれていました。
江戸時代から現在の節分で使われているいわしも実は出世魚です。
出世魚とは成長するにつれて呼び名が変わる魚のことです。
ブリなどが有名ですね。
江戸時代まで武士や学者は、成人や出世に伴って名前を変える習慣があり、「成長に伴って出世するように名前が変わる魚」として出世魚と呼ばれるようになりました。
実はいわしの中でもマイワシは出世魚です。
ちりめんで使われるシラスはマイワシの稚魚です。
いわしも縁起の良い魚ということになりますね。

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節分に飾るいわし


節分の時には柊鰯(ひいらぎいわし)を玄関に飾る風習があります。
柊の枝に焼いたいわしの頭を刺して玄関に飾ります。
鬼はとがったものと臭いものが苦手です。
柊鰯には、柊の葉のトゲと焼いたいわしの臭いで鬼が家に近づくことができないとされている説や、逆に、焼いたいわしの煙で鬼をおびき寄せて、柊の葉のトゲで鬼を退治するという説もあります。

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いわしと臭い


いわしには独特の臭いがあるといわれます。
私はいわしが独特にクサイと特に感じたことはありませんが、料理の作り方を見ると、いわしのレシピには臭みを取る工程が載っています。
塩でよくもんで余分な水分を出すと臭みは取れます。
北欧スウェーデンで主に作られている「シュールストレミング」という塩漬けのニシンの缶詰は、その強烈な臭いから「世界一臭い食べ物」と評されるそうです。
昔は缶詰の技術もありませんから、いわしを焼いて外に置いておいたら臭いも強烈になったのかもしれません。
日本で臭い食べ物といえば「くさや」が有名ですが、世界にはまだまだ上があるのですね。

また、西日本では、「焼く」と「嗅ぐ」を合わせて「焼嗅(やいかがし)」や「やいくさし」と呼ばれています。

焼く時の煙や臭いもこの時期ならではの風物詩であったことが分かります。

「臭いもの」として、地域によっては、にんにくや、らっきょうを用いたり、鰯の尻尾を使ったりすることもあるようです。

また、地域によって、「いわし」が「やわし」が「和し」と似た言葉だということから、「家族の和合、家内安全」と重ね合わせているため、節分の飾りになっているという考え方もあるようです。

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節分にいわしを食べる意味


主に西日本には節分に焼いたいわしを食べる「節分いわし」の風習があります。
節分にいわしを食べる意味には諸説があります。
弱くて臭いいわしを食べることで、体の中の「陰の気を消す」とされているという説や、いわしは陸に揚げるとすぐに弱って傷みやすいため「弱さ」の象徴とされ、語源の説のひとつである「賤し(いやし)」や「卑しい(いやしい)」から、弱さや卑しさを食べてしまうことで健康を願い鬼を近づけないとする説、などがあります。
医療がそれほど発達していなかった昔では、栄養価の高いいわしを食べることによって、丈夫な体でいることを願いました。

柊鰯の「イワシ」おすすめの食べ方

焼き鰯

  • 材料:鰯、塩(適量)

作り方

  1. 頭を落としてエラと内臓を取り外す
  2. 水で洗って、水気をふき取る
  3. 両面に塩をふり、しばらく置く
  4. 魚の表面に出てきた水分をふき取る
  5. 再度、軽く塩を両面にして焼く

皆の声

こんなに簡単調理で安くて美味しい食い物があったなんて、感謝です。
・イワシは安くてホント美味しいですよね。
・イワシの内臓脂肪おいしそう。無駄なしの看板に偽りなしですね

鰯のトマトソースかけ

材料:鰯(4匹)、にんにく(せん切り・1/2片)、玉ねぎ(みじん切り・1/2個)、赤唐辛子(種を取る・1/2本)、カットトマト缶、塩、コショウ、小麦粉、白ワイン(1/4カップ)、しょうゆ(小さじ1)、固形スープの素(1/4個)、水(1/4カップ)、オリーブオイル

作り方

  1. イワシは、頭を落としてエラと内臓を取り外す。
  2. 水で洗って、水気をふき取る。塩コショウをして小麦粉をまぶす。
  3. オリーブオイル大さじ1でイワシの両面をソテー
  4. 白ワインを加えて蓋をして5分ほど焼く
  5. イワシを取り出し、余計な油をふき取り、オリーブオイル大さじ1でにんにく、赤唐辛子を炒め、香りが出たら、玉ねぎを炒める
  6. カットトマトと水、固形スープの素を加え半量になるまで煮詰める。(この時、節分で余った福豆を入れて煮込んでも大丈夫です。)
  7. イワシを戻し、しょうゆを入れて絡める。
  8. お皿にイワシを並べ、ソースをかける。

まとめ


節分といわしは古くからつながりがあるのですね。
いわしは栄養が豊富な魚です。
健康食品で売られているDHAやEPAが豊富に含まれていて、なんと化粧品などでも使われるコエンザイムQ10も含まれています。
一方プリン体も多く含んでいますので、摂取を控えた方が良い方もいるかもしれません。
出世魚でありますし食べると良いことがある気がしますね。
日本の古き良き風習に思いを馳せながら、節分にはいわしを味わいましょう。

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